吉川氏が元禄十三年(1700年)京都より陶工を招請し岩國焼として開窯して以来、岩国には古くから種々の陶磁器があった。しかし一番大切な陶土(粘土)が未だ発見されていなかった。
しかし昭和46年、阿品の地に粘土を求め発見、埋蔵量の調査、粘土の成分研究を行い焼物として使えると確信を持ち、岩國焼吉香窯として昭和48年開窯、復興に力を注いできました。
岩国の風土に根ざした作陶の中に、いかに土を活かし、岩国独特の釉薬の開発、古岩國焼の伝統を引き継ぎ、また新しい岩国焼の伝統を作るべく努力、研鑚しております。
岩国五景陶物語りとは
錦帯橋から眺望する四季のおもむきと文化を表現している。
錦帯橋の五連のそり橋のごとく、それぞれ釉薬で深い味わいを醸し出した作品です。
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阿品竹灰釉(あじなちくばいゆう)
岩国は竹林では全国三番目に入る知名度があり、また窯元のある阿品では、竹の子の産地で有名である。
その竹を釉薬にと研究を重ね、錦帯橋河畔に咲く桜を表現しています。 |
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吉香青磁(きっこうせいじ)
地元阿品土をもって古岩國焼の青磁(将軍家への献上品として作られていた)の研究をし、限りなく再現に成功。なお一層阿品土を活かして夏の伝統的な鵜飼が催されている錦川の豊かな流れを表現すべく研究し、吉香青磁の開発となりました。 |
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米色青磁(べいしょくせいじ)
吉香青磁の焼成方法を研究し、錦川の河口に豊かな黄金色の実りをもたらし、伝統ある岩国の文化を黄金色の発色に表現しました。 |
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紅斑手(こうはんで)
鉄分を多く含んでいる阿品土は焼成方法によって赤く発色する(斑手)ことを発見し、その特徴を活かし、錦帯橋河畔の紅葉を表現しています。 |
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白蛇釉(はくだゆう)
作品の中から釉薬がはじけて生地が出てしまった。その特徴を活かし白の釉薬をはじかせ、錦帯橋の冬の河原の景色、天然記念物の白蛇を表現しています。 |
岩國五景物語りには登場しないその他の釉薬をご紹介します。
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阿品鉄釉(あじなてつゆう)
地元で産出された鉄鉱石を原料とした釉薬を開発し、錦川の豊かな流れを表現しています。 |
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吉香緋色赤(きっこうひいろあか)
瀬戸内海から昇る太陽の赤、燃えるような赤を表現しています。 |
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吉香辻ヶ花(きっこうつじがはな)
阿品の弥山から眺める錦川に沿って出来る雲海の朝日に照らされた、その光景を表現し、まぼろしの染・辻ヶ花にも似ているところから名付けました。 |
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岩国交趾釉(いわくにこうちゆう)
(岩国紫交趾・岩国緑交趾・岩国黄交趾・岩国赤交趾・岩国青交趾)
岩国陶土の特徴を活かし伝統的な交趾ぐすりを高温焼成にて発色させることに成功しました。 |
山田 象陶(しょうとう) 陶歴
- 昭和48年 開窯
- 九州・山口陶磁展 入選
- 第15回現代美術展 入選 受賞
- 岩国市民会館 陶壁制作
- 岩国中央図書館 陶壁制作
- 近鉄松下百貨店 個展
- 福屋 個展
表千家流 長生庵 十二代 堀内宗心 宗匠 の箱書付をいただいております。
山田 哲生 陶歴
昭和42年 |
岩國焼窯元 吉香窯 山田象陶の長男として生まれる |
平成3年 |
大阪芸術大学 工芸学科 陶芸科 卒業
山口県美展 初入選 |
平成4年 |
山口県美展 入選 |
平成7年 |
山口県美展 入選 |
平成9年 |
日本現代工芸美術展 初入選
山口県美展 入選 |
平成10年 |
日展 初入選
日本現代工芸美術展 連続入選
山口県美展 入選 |
平成11年 |
日展 連続入選
日本現代工芸美術展 連続入選
日本現代工芸美術中国会展 山口県教育長賞受賞 |
平成12年 |
日展 連続入選
日本現代工芸美術展 現代工芸賞受賞
セラミックアートFUJI 国際ビエンナーレ2000大賞受賞 |
平成13年 |
日展 連続入選
日本現代工芸美術展 無鑑査 |
平成14年 |
日展 連続入選
日本現代工芸美術展 連続入選
セラミックアートFUJI 国際ビエンナーレ2002無鑑査 |
平成15年 |
日展 連続入選
日本現代工芸美術展 無鑑査 |
平成16年 |
日展 連続入選
山口県芸術文化振興奨励賞 受賞
日本現代工芸美術展 無鑑査
セラミックアートFUJI 国際ビエンナーレ2004無鑑査 |
平成17年 |
日本現代工芸美術展 無鑑査
日本現代工芸美術中国会展 津山市教育委員会教育長賞受賞 |
平成18年 |
日本現代工芸美術展 無鑑査
日展 入選 |
※日本現代工芸美術家協会 本会員
徳山工業高等専門学校 非常勤講師